理由あって簿記3級に3回チャレンジし、合格しました。
この記事では、無料の教材、随時受験できるCBT形式、再受験前提での最短の合格までの取り組み方を紹介し、簿記を学びたい方、合格を目指している方に、少しでも役立つヒントをお届けします。
簿記再挑戦のきっかけ
「事業計画を立てるなら簿記3級くらいはやっておいたほうがいい」と、事業部の部長に言われたのが、簿記3級に再挑戦するきっかけでした。
とはいえ、簿記には苦い思い出がありました。以前、「取るなら2級だ!」と調子に乗っていきなり簿記2級に挑戦したものの、工業簿記で挫折。意味分からない、使う?
それ以来、「簿記は業務に実益あるの?」と勝手に否定することで忘れていました。
事業開発に顧客ニーズの特定やMVPの確定、PMFの検証など最終的に事業を成長させるためにプロダクトマネジメント領域が重要であるという認識でしたが、CFOとの議論や財務戦略の立案のためにも簿記の知識は有用だとフィードバックが合ったのは意外?でした。じゃあとりあえず、「3級からやり直してみよう」と決意し、勉強をスタートしました。
昔と今の簿記試験の違い
10年以上前、簿記3級の試験は年3回の筆記形式で、決められた日時に試験会場へ行く必要がありました。試験がうまくいかなかったとしても、次のチャンスは数か月後。それまで勉強を継続するのはとても大変、というより無理でした。モチベーションがありません。
しかし、今では試験にCBT形式(Computer Based Testing)が追加され、随時受験が可能に。自宅では受験できませんが、会場のパソコンで受験し、電卓を使って計算しながらキーボードで解答を入力します。日時を自分で決められるため、無理なく自分の学習計画で進められるのが最大のメリットです。
QAサイトには、再受験予約は翌日以降となってますが、その日の夜には予約できたので、モチベーションがあるうちにすぐに次の予約しちゃいましょう。
CBT形式のメリットで「PDCA」が回せる!
CBT形式の大きな利点は、PDCAサイクルを効率的に回せることです。試験に落ちたとしても、例えば、10日後にまた受験できるため、何度も挑戦しながら改善を重ねていけます。CBT形式は60分で大問3題を解くスタイルで、100点中70点以上で合格です。
1回目の試験では不合格でした。これは、ぎりぎり受かってそうと思ったら、大きく失点。凡ミスもあり、60点で終了。こんな感じか。練習と比べて思ったより時間意識したほうが良いなという振り返りでした。
その経験から弱点と時間配分を把握。ピンポイントで対策を立て、2回目の試験に臨みました。結果、あと2点足りず不合格。しかし、1回目と大きな違いが。それは、手応え。ギリギリ、落ちるだろうなという感覚がありました。その見立ては残念ながら合ってました。
3回目はさすがに希望と劣等感が行ったり来たりしましたが、幸運なことに、3回目の試験では2回目と同じ問題が大問3題中2題そのまんま出題されていたんです!復習がそのまま活かされ、「これは行ったでしょ!」という感覚通り、ようやく合格できました。本当にCPAラーニングありがとう!ここでも無駄に宣伝します。
圧倒的な充実度なのに全部無料のCPAラーニングの活用で勉強を効率化
簿記3級の勉強では、CPAラーニングというeラーニングサイトが大きな助けになりました。ここは質の高い教材を無料で提供しており、初学者やブランクのある人でも安心して学べます。
CPAラーニングの特長
- 無料の講義動画
- 簿記3級だけでなく、2級の講義も無料で視聴可能。わかりやすい解説で、効率よく理解が深まります。
- 教科書と問題集がPDFで無料提供
- 通常は書店で販売される教材が、無料でPDFダウンロードできます。表示まで重いですが、もちろんブラウザでも閲覧できます。
- 模擬試験の無料受験
- 本番さながらの模擬試験をCBT形式で3回分を無料で受験可能。本番に向けて実戦感覚を磨けます。しかも解説動画もあるって、恐るべきフロントエンド商材だよ。
CPAラーニングは、公認会計士や税理士を目指す人向けの教育サービスを提供しており、CPAエクセレントパートナーズ株式会社が運営しています。会計や経理の専門家を目指す受験生のための講座だけでなく、ビジネスパーソン向けの研修も展開しています。そのため、簿記3級のような一般向け資格にも対応しており、信頼できる教材を提供していますね。
簿記3級合格のために活用した補助教材の紹介
CPAラーニングの教材に加え、簿記ナビ検定さんの簿記3級 仕訳対策教材「重要仕訳TOP100」を積極的に活用しました。簿記ナビには、簿記3級の仕訳問題が豊富に揃っているため、試験で頻出する仕訳のパターンを重点的に対策できます。
実際にどう使っていたかというと、スプレッドシートに100問のリンクを転記し、重要度と難度をマッピングして、以下の評価順でひたすら仕訳していきました。具体的には、優先順位の高い仕訳と、過去に自分が間違えた仕訳を洗い出し、それらを何度も繰り返し解きました。
- 重要度: 高、難度: 低 → 1(最優先)
- 重要度: 高、難度: 中 → 2番目
- 重要度: 中、難度: 低 → 3番目
- それ以外: 捨てる
3番目までで8割網羅でているので4番目以降の優先度は捨てます。それでも優先度が3番目の途中ぐらいまでしか対応できてません。なかなか時間が取れませんでしたね。
やらないことを決める
ゴールは、会計や経理業務をこなすことではなく、事業計画や収益性の判断に必要な財務の知識を身につけることでした。そのため、試験範囲を全て網羅するのではなく、やらないことを明確に決める戦略を取りました。
実業務っぽい細かな記帳や伝票処理は捨てる
簿記3級では、伝票処理や補助簿の記入方法など、実務的な部分も問われますが、経理業務をするわけではないと割り切り、頻出の商品有高帳や固定資産台帳の作成と難しくない伝票(入金伝票、出勤伝票、振替伝票)以外は最初から捨てました。また、第3問で出題される精算表作成や決算整理前試算表作成の問題もリソースを割かずに捨てました。
集中したポイントは仕訳と決算整理からPLとBSを作成すること
代わりに、決算整理とそれによって作成される損益計算書(PL)と貸借対照表(BS)を作成する力を身につけることに集中しました。これらは、事業計画やの財務状況を判断するために不可欠なスキルだからです。幸運なことに、試験でもこの部分が何度も出題され、捨てた分野にリソースを割かずに済みました。
試験を何度も受けることで精度を上げる
やらないことを決めた代わりに、試験を繰り返し受験することで実力を高める方針を取りました。CBT形式なら、失敗を重ねてもすぐに再挑戦できるため、改善を積み重ねながら目的達成に向かえたのは大きなメリットでした。
CBTのデメリットは毎回別の問題が出題される前提のため、過去問対策ができません。なので、どのような問題が自分的に怪しかったか思い出してメモして対策といった流れを作るのです。
簿記3級で得られた具体的なベネフィット
仕分けのイメージが頭に浮かぶようになる
簿記の基本である仕分けが自然に頭に浮かぶようになったことが、最大の成果です。仕分けの理解が深まることで、取引がどの勘定科目に影響するかを瞬時に判断できるようになりました。
といっても、実務では消費税ありや証跡がなかったりと複雑なはずなので、あくまで簿記試験レベルで取引の具体的なイメージできるのは有益です。
小規模・中小企業や個人事業主にも役立つ知識
簿記3級で学んだ知識は、個人事業主や小規模企業の経理業務に直結します。経費の管理や在庫の計上など、日常のビジネス運営にも役立つスキルです。
元々、個人事業主向けな試験だと思いますが、株主や株式資本、法人税の話も結構出題されていたので、中小企業向けの方も役立つはずです。
CPAラーニングとCBT形式をフル活用しよう
簿記3級の合格には、目的に合わせた戦略的な勉強法が鍵です。やらないことを決め、CBT形式の試験を活かしてPDCAを回しながら学びを深めましょう。さらに、CPAラーニングの無料教材を活用することで、コストをかけずに効率よく力をつけられます。これから簿記に挑戦する人も、焦らず一歩ずつ進めていけば、合格にたどり着けます!